【カルドハイム】多色カードから「ドラフト・アーキタイプ」をざっくり推測(対抗色編)
2021/01/26
今回は後編「対抗色」のアーキを見ていこうと思います。
白赤:アクスガルド
白赤は「ドワーフの領界:アクスガルド」になります。カルドハイムにおけるドワーフは武器/防具等の製造に長けているとされており、カラーリング的に今回の白赤は装備品やオーラシナジーが採用されているものと考えます。
- 赤のドワーフ:荒々しさをかねそなえる
- 白のドワーフ:理論的で整然
カルドハイムにはサイクルとして「ルーン」が存在します。これは魔法であり、ドワーフの職人全員が青年期をささげて一つの武器を製造し、それにルーンの魔法を込めて一生持ち歩く。よってルーンシナジーに関しても白赤が優遇されている(はず)。
- 白ルーン:絆魂
- 青ルーン:飛行
- 黒ルーン:接死
- 赤ルーン:+1/0&速攻
- 緑ルーン:+1/+1&トランプル
アーキ要素
- ドワーフ/戦士
- 装備
- オーラ
- 機体
- 宝物
宝物による一時的なマナ加速と装備&オーラによる生物強化で戦うペタペタ系アグロっぽい。
アクスガルドの武器庫
- タップ生け贄4マナ起動:オーラと装備を各1枚ずつサーチ可
カルドハイムの白赤のキーであるオーラと装備をサーチ可。今回は実質生物枠としてカウントできるキッカーっぽい能力付きの装備などもあるので中々にアドの取れる効果。
鍛冶場主、コル
- 伝説のクリーチャー:ドワーフ・戦士
- 2マナ2/2
- 自分のコントロールするトークンでない他のクリーチャーが死亡するたび、オーラや装備品が付いていた場合、そのクリーチャーで合ったカードはハンドに戻る(除去耐性付与)
- 自分のコントロールするオーラや装備品がついている全てのクリーチャー・トークンは+1/+1修正
注意したいのはロード能力は「クリーチャー・トークン」のみに影響を与える点でしょうか。オーラ戦略は除去に弱いので除去耐性付与はありがたい。
タイライト剣の鍛錬
- Ⅰ・Ⅱ:宝物トークンを1つ生成する。
- Ⅲ:ライブラリから「戦闘の神、ハルヴァール」or装備品を探し、公開し、手札に加える。
宝物で一時的にマナ加速しつつ、3章で裏面装備のハルヴァールもしくは装備品がサーチ可。3マナ設置時にテンポを失うことになりますが、その分、宝物を生成し、緩急のある攻めを見たカードになるでしょうか。神話レアのハルヴァールがサーチできるので、デッキの中身次第では非常に強力?
スカルドの決戦
- Ⅰ:ライブラリの上からカード4枚を追放。次のあなたのターン終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。
- Ⅱ・Ⅲ:このターン、あなたが呪文を唱えるたび、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象として、+1/+1カウンターを1個置く。
赤の疑似ドローと白のウィニー戦略をミックスしたような英雄譚。うまく働けば4マナ4ドロー+αとスタンダード基準で考えると爆アド。軽いキャントリップ系呪文との相性も良く、構築で見る可能性もありそう。
赤青:セルトランド
赤青は「巨人の領界:セルトランド」。地殻変動の激しいこの地には二つの巨人種族が住まう。
- 霜の巨人:知性的で秘密主義
- 炎の巨人:知識や資産を持ち合わせない(脳筋)
カルドハイムに存在する種族の中では最も巨大という設定。炎の巨人は霜の巨人よりも小柄であるという設定から、特に霜の巨人(青)のパワー/タフネスは高く設定されていると思われます。
アーキ要素
- 巨人/ウィザード
- 余剰ダメージ
- 占術
- 火力
- コントロール
「巨人=大きい」ということもあって、低マナ域(1~2マナ圏)には多相を除くと巨人はおらず、生物的には3マナ以降で戦うミッドレンジ~コントロール気味のアーキになりそう。
セルトランドの凍炎
- タップ生け贄5マナ起動:占術2+各クリーチャーに2点ダメージ(ソーサリータイミングのみ起動可)
占術でドローの質を高めながら、小粒クリーチャーを一掃。巨人以外のクリーチャーをなぎ払うようなデザインのカードではあるのだが、実はタフ2の巨人も存在するとか…しないとか…。
氷結する火炎、エーガー
- 伝説のクリーチャー:巨人・ウィザード
- 3マナ3/3
- 対戦相手のクリーチャー1体orPT1体が余剰ダメージを受けるたび、あなたがコントロールする巨人orウィザードor呪文によってダメージを与えていた場合は1ドロー。
アリーナで上手く使うためには、オプションから「戦闘ダメージの自動振り分け」からチェックを外しておく必要がでてきます。かなり大事。
例えば…あなたの3/3巨人が攻撃した際に、相手が2/2クリーチャー2体(AとB)でブロックしてきたとします。
- 自動振り分け:Aに2点・Bに1点(ドローできず)
- 任意振り分け:Aに3点・Bに0点にすることでドロー可
任意の振り分けにすることで、本来であれば2点与えればよいAのクリーチャーに余剰で1点分多くダメージを与えることができ、それによってドロー効果が誘発することになります。大事なテクニックになると思われるので覚えておきましょう。
巨人たちの侵略
- Ⅰ:占術2
- Ⅱ:カード1枚を引く。手札から巨人カードを公開してもよい。そうしたとき、対戦相手1人orPW1体を対象として2点ダメージ。
- Ⅲ:このターン、あなたが次の巨人呪文を唱えるためのコストは(2)少なくなる
占術に加えてドローも付いているアド損しない英雄譚。2マナで設置した際はテンポを多少失ってはいるものの、最終的に3章で2マナ加速できることを考えると悪くない。赤青巨人ヨーリオン的なデッキが成立するとすれば構築でも使われるかも。
霜と火の戦い
- Ⅰ:巨人でない各クリーチャーとPWにそれぞれ4点。
- Ⅱ:占術3。
- Ⅲ:このターン、あなたが点数で見たマナコストが5以上の呪文を唱えるたび、カード2枚を引き、その後カード1枚を捨てる。
リミテだとおそらく超BOM。4点で一層しつつ2~3章でアドを稼ぐことができるのでそのまま勝てそう。構築の場合は5マナがやや重かったり、除去耐性付与、砕骨巨人相手には効かない…なども考えられるので環境次第だと思われますが、場合によっては使われそうなくらい強い気がします。
マルチカードを見る限りでは割とコントロール色の強いアーキな気がします。
青緑:リトヤラ
青緑は「多相の領界:リトヤラ」。領界を渡り歩くことのできる多相はどの種族になることも可能であることから、青緑絡みのクリーチャータイプを参照するアーキでも採用できる異端カラー。ちなみに多相も色によって好む姿が異なるそうで…
- 林歩き(緑):野生の獣の姿を好む。熊が人気。
- 入江歩き(青):水が大好き。セイウチやイルカのような海棲生物など。
基本サイズは割と共通していてケツデカが多め。
アーキ要素
- 多相
- コピー
- 氷雪
- +1/+1カウンター
- クリーチャータイプ
カラー的に氷雪シナジーが得やすく、コピー的な能力を有するカードが複数存在。多相だけで見た場合は+1/+1カウンターシナジーを持つカードが数枚。多相の戦士を沢山ピック出来た場合などは、タッチで他の種族のロード/シナジー持ちを採用することで、それと似た顔ができるのが特徴的でしょうか。
多色化するメリットの大きいカラーに見えます。
リトヤラの鏡湖
- タップ生け贄5マナ起動:自分のクリーチャー1体を対象とする。+1/+1カウンターが1個置かれた状態でそれのコピーを生成。(ソーサリータイミングのみ起動可)
多相は全体的にケツでかが多いので比較的盤面が膠着しやすい?そうなった際などは重いクリーチャーをコピーすることで盤面を打開することができるかも。
霜のモーリット
- 伝説の氷雪クリーチャー:多相の戦士
- 5マナ0/0 多相
- 自分がコントロールしているパーマネント1つのコピーとして戦場にだしてもよい。伝説・氷雪・多相は有した状態。(クリーチャーなら+1/+1カウンター2個追加で)
なんでもコピーマン。既にセルフLOによるコンボなどが見つかっているそうです。
- 墓地に《霜のモーリット》が2枚ある状態で《ヘラルド、エルフを統一する》の1章の効果で釣り上げる。(多相はエルフでもあるので釣れる)
- 釣り上げた《霜のモーリット》のコピー効果で《ヘラルド、エルフを統一する》のコピーを生成し、もう一体の《霜のモーリット》を釣る。
- 伝説ルールにより、最初に釣り上げた《霜のモーリット》を墓地へと送る。以下、ループすることでセルフLOが可能。
最終的に《タッサの信託者》を出して特殊勝利といった具合。※《タッサの信託者》はエルフじゃないので釣れない点に注意
ライブラリが空になった後は《霜のモーリット》を土地にすることも可能なので、1マナ浮いた状態でコンボを始動することができれば、ハンドに《タッサの信託者》があればコンボが成立します。※もしくは盤面に信託者が既にいる場合はそれのコピーになることでも成立
三つの季節
- Ⅰ:3枚切削。
- Ⅱ:自分の墓地から氷雪パーマネント最大2枚回収。
- Ⅲ:各墓地からそれぞれカード3枚を選ぶ。それらのオーナーはそれらカードをライブラリに加えてシャッフル。
2マナで最大2枚の墓地回収。氷雪パーマネント限定ですがコスパ的にはかなり強め。3章にはライブラリ修復効果もあるので、切削で強いカードが墓地に落ちてしまった際にも安心ですし、タイミングによっては墓地対策的に働くこともありそうです。
リトヤラの熊々
- Ⅰ:多相を持つ青の2/2多相の戦士・クリーチャー・トークン生成。
- Ⅱ:自分のコントロールしている望む数の多相の戦士・クリーチャーを対象とし、基本パワー&タフネスを4/4にする。
- Ⅲ:クリーチャーorPW最大1体を対象として、自分のコントロールしているパワー4以上の各クリーチャーはそれぞれ、パワーに等しい点数のダメージをそれに与える。
多相は熊が好きということで2/2サイズのトークン生成。トークンが青なのが少し不満です。熊好きは緑の林歩きって言ってたじゃん。
除去されなければトークンは実質4/4サイズであり、それ以外にも多相の戦士が並んでいれば4/4サイズへと変更可。3章まで完結できると4/4生物を生成しながら1体除去。3マナ呪文にしては破格。
緑黒:スケムファー
緑黒は「エルフの領界:スケムファー」。元々敵対していた森のエルフと闇のエルフですが、ヘラルドによって統一され、団結することとなったそうな。でも結束は弱いらしい。同じ領界に住む者同士でも喧嘩しあっている種族が多い中で、仲良しなのは良いことですね。
アーキ要素
- エルフ
- 除去
- 氷雪
- +1/+1カウンター
- リアニメイト
- 1/1エルフトークン
カルドハイムは10の領界に分かれており、部族シナジーそのものは全体を通してそれほど濃くない環境ではありますが、エルフに関しては他よりは少しだけ濃いかも。
スケムファーの古の間
- タップ生け贄5マナ起動:自分以外のクリーチャー最大1体を対象として-2/-2修正。1/1エルフ・戦士・クリーチャー・トークン2体生成。(ソーサリータイミングのみ起動可)
軽い除去性能に加え、1/1エルフトークンを2体生成。最大1体を対象にすればよいことから、相手盤面にクリーチャーがいなかったとしても1/1トークン2体出すことは可能。
スケムファーの王、ヘラルド
- 伝説のクリーチャー:エルフ・戦士
- 3マナ3/2威迫
- 出た時ライブラリ5枚見て、エルフorタイヴァーを公開し、手札に加えても良い。残りをライブラリボトムへ。
他のマルチよりもちょっと地味に見えるんですが、出すだけでほぼほぼアドが取れるこれ系カードは見た目以上に強い。リミテの3マナ3/2威迫というサイズも普通の環境なら強め。
古き神々への束縛
- Ⅰ:対戦相手がコントロールしていて土地でないパーマネント一つを対象として、それを破壊。
- Ⅱ:ライブラリから森カード1枚を探し、タップ状態で戦場へ。
- Ⅲ:ターン終了時まで、あなたがコントロールしている全てのクリーチャーは接死を得る。
雑に強い万能除去。2章以降はややオマケ的な要素ではありますが、リミテにおいては1章だけでも十分便利。
ヘラルド、エルフを統一する
- Ⅰ:3枚切削。あなたの墓地からエルフorタイヴァーであるカード1枚を戦場へ。
- Ⅱ:あなたがコントロールしている各エルフの上に+1/+1カウンターを1個置く。
- Ⅲ:このターン、あなたがコントロールしているエルフ1体が攻撃するたび、対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時までそれは-1/-1修正を受ける。
エルフデッキの奥義みたいな英雄譚。逆に言うと緑黒エルフ以外では腐りやすいカードなので、卓の空き方次第では流れてくる可能性もあるカードな一枚。
エルフは全体的に「エルフ」という種族シナジー持ちカードが多めではあるものの、レアリティがある程度要求されることもあり、できれば卓1の際に入りたいアーキな印象。
領界喰らい、サルーフ
- 伝説のクリーチャー:狼
- 3マナ3/3
- 対戦相手がコントロールするパーマネント1つが戦場から墓地へ置かれるたび、+1/+1カウンター1個置く。
- あなたのアップキープ開始時に、こいつに+1/+1カウンターが1個以上置かれているなら、全て取り除いてもよい。そうしたなら、点数で見たマナコストが取り除いたカウンター個数以下の土地以外のパーマネントをすべて追放。
オマケ枠。
緑黒にも赤黒のドラゴンと同様に別枠レアが1枚います。
トークンの多い環境なのでカウンター1個乗った状態からトークンを一掃するだけでも強そう。緑黒エルフとのシナジー的な要素はなさそうに見える。
黒白:シュタルンハイム
黒白は「戦乙女の領界:シュタルンハイム」。対になって審判の任務を遂行する戦乙女は、白は「門番」を、黒は「死神」の任を担当。カルドハイムの天使はデーモンに臆することなく戦いを挑むんだとか。
- 白の戦乙女:シュタルンハイムに相応しい死者の番人
- 黒の戦乙女:臆病者の死神
そんなわけでカルドハイムには「白の天使っぽい天使」から「黒の闇落ちした風の天使」までたっぷり。
アーキ要素
- 天使
- 飛行
- ライフゲイン
- 2つ目の呪文
- 生贄
- 墓地利用
このカラーは世界観とカード効果がわりと一致していて、ストーリー部分に触れているとカード効果が把握しやすい。
シュタルンハイムの大聖堂
- タップ生け贄3マナ起動+クリーチャー1体生贄:飛行/警戒持ちの白の4/4天使・戦士・クリーチャー・トークン1体を生成(ソーサリータイミングのみ起動可)
戦乙女による審判を得て4/4天使が生成される。
武勇の審判者、ファーヤ
- 伝説のクリーチャー:天使・クレリック
- 5マナ2/4飛行・絆魂
- 各ターンの2つ目の呪文を唱えるたびに、ライブラリ3枚見る。内1枚をハンド、残りを墓地へ。
白黒系には珍しく、各ターンにあなたの2つ目の呪文を唱えることでハンドアドを稼ぐことのできる。リミテにおける白黒はカードパワーは高いものの、アドが枯渇しやすいカラーなので嬉しいはず。
傑士の隆盛
- Ⅰ・Ⅱ:自分のクリーチャー1体を選ぶ。次のターンまで自分がコントロールしている全てのクリーチャーへのダメージを肩代わり
- Ⅲ:自分の墓地からクリーチャー1体を対象とする。飛行カウンターが乗った状態で戦場へ。他のタイプに加え、天使・戦士。
戦乙女による審判(強制デコイ)を受けたクリーチャーは死んだあとに、墓地から天使として転生する(かもしれない)的なデザイン。カルドハイムの戦乙女は割と鬼畜か?
墓地対策に弱いリアニではありますが、3マナとリアニスペルにしては軽く、+αのアドが取れることを考えるとカードパワーは高め。
ファーヤの報復
- 1:飛行/警戒持ちの白の4/4天使・戦士・クリーチャー・トークン1体を生成
- Ⅱ:ターン終了時まで、あなたがコントロールしている全ての天使は「タップ:このクリーチャーよりもパワーが小さいクリーチャー1体を対象として、それを破壊」を得る。
- Ⅲ:ターン終了時まで、あなたがコントロールしている全ての天使は二段攻撃を得る。
4マナでセラ天トークンを生成しつつ、除去と飛行からの二段攻撃まで見ることのできる強力なカード。懸念点があるとすれば、本環境はトークンが非常に多いことからバウンスがいつも以上に強く働きそうで、バウンスされたときのダメージの最も大きいカラーが黒白かも。
ざっくり見た感想・まとめ
ざーっとマルチカードを眺めてみたわけですが…
最初に言い訳しておくと、自分は環境始まってから廃プレイして環境を覚える派なので、環境速度についてはあんまり予想が立っていません。
ただ、ラスゴ系の全体除去っぽい顔したカードが非常に多く、単体除去も割と強め。英雄譚を始めとしてアドの取れるカードも複数存在することから、ミッドレンジよりのややゆっくりした環境になるのではないかと予想。
カラーによって種族によるシナジーの濃淡もまぁまぁ異なることを考えると、多色化してパワーカードを多く詰め込んだグッドスタッフ的なデッキのほうが強い可能性もありそう。
まぁとりあえず
楽しそうなのは間違いない。
PCの前で全裸待機。
前編:多色カードから「ドラフト・アーキタイプ」をざっくり推測(友好色編)
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